「ヤラカシ」と呼ぶのはもうやめよう――ジャニーズアイドルが「ストーカー」に苦しむ、辛く悲しい現状

 11月8日、関ジャニ∞・大倉忠義がジャニーズ公式携帯サイト「Johnny’s web」内のブログ「関ジャニ戦隊∞レンジャー」を更新。その内容が大きな波紋を呼んでいる。

 大倉は「今回は賛否あるであろう事をわかった上で書かせていただきます」という書き出しから、駅や空港などで迷惑行為をする一部のファンの「身勝手な行動」を赤裸々に明かしている。「執拗に追いかけてくる」「カバンの中にモノを入れられたり」「突然手を繋がれたり」「友人と食事をしていたら 駅や空港にいつもいる人が横のテーブルにいました」とのこと。さらに、「精神的に辛いです。このまま耐え続けられるだろうか」「普通の人に戻る方が よっぽど楽だろう。そろそろ限界だ」など、精神的に追い詰められている様子が伝わる文章も。特に「普通の人に戻る」という部分については、大倉が芸能界から去ることを示唆しさと解釈する人も多く、ネット上では不安の声が飛び交っている。

 つい先日も、King&Princeファンが仙台駅のホームに殺到し、新幹線の出発が遅れるという事態が起こったばかり。この際はワイドショーなどでも取り上げられ、もはや“ジャニーズファンだけ”の問題では済まないほど、大きな問題となってしまった。しかし、一部ファンによるこのような迷惑行為は、今に始まったことではない。

 今回大倉が明かしたような、過剰なつきまとい行為や、タレントと接触を図ろうとする一部のファンをジャニーズファンの間では「ヤラカシ」と呼び、何十年も問題視されている。例えば中居正広は、2014年9月に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)にて、ストーカー被害の話題が出た際、「(今は)全然ないです。10代、20代の時はありましたけど」と告白していた。「郵便物を取る人もいますし、(マンションの)オートロックの中に入って屋上でたむろして、ご飯食べてそのままとか」と実際の被害を明かしていた。

 また、09年には当時Hey!Say!JUMPのメンバーだった森本龍太郎から携帯電話を奪ったとして、17歳の少年が窃盗容疑で逮捕される事件もあった。この少年は、森本につきまとい行為をしていた常習犯でもあり、まさに「ヤラカシ」が起こした事件といえる。他にも、ジャニーズアイドルの自宅ポストに使用済みの生理用品を入れるといった、にわかには信じられない行為を働く「ヤラカシ」のエピソードも、長らくファンの間で語り継がれている。

「ヤラカシ」は立派な“ストーカー行為”である

 「ヤラカシ」というと、ジャニーズアイドル・ファンだけの特殊な問題のようにも聞こえてしまうが、これらは法に触れる立派な「ストーカー行為」。00年11月に施行された「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下、ストーカー規制法)では、「つきまとい」「待ち伏せ」「住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと」「汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと」などが、ストーカー行為の定義として規定されている。大倉らジャニーズアイドルが「ヤラカシ」から受けた被害と照らし合わせると、そのほとんどが「ストーカー行為」に当たるのだ。

 現行のストーカー規制法では、「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」(第十八条)と罰則が定められており、公安委員会の禁止令に従わない場合は、さらに思い処罰が科されることに。今年4月に逮捕された、女優・菊池桃子にストーカー行為をしていた元タクシー運転手の男は、つきまとい行為を繰り返し、6月に再逮捕されている。また、9月にはタレント・中川翔子が自身のブログにて、ストーカー被害に遭っていたことと、容疑者の男が逮捕されたことを報告。しかし中川は、「犯人は逮捕されましたが、これで恐怖と不安が消えたわけではありません」とブログにつづっていた。精神的な恐怖は長く被害者を苦しめることもあり、ネット上ではストーカー犯罪の厳罰化を望む声が高まっている。

 「ヤラカシ」、いや「ストーカー」は、明確な違法行為。ジャニーズアイドルに近づきたい、気にかけてほしい……といった自己中心的な感情のままに行動してしまうと、その加害は計り知れず、取り返しのつかない事態になる恐れもある。加・被害者のどちらにもなりうる可能性が、誰にでもあることを自覚するべきだろう。