中居正広はアイドル界の“ご意見番”になれるか――『中居くん決めて!』に見る、アドバイザーとしての素質

 今年10月からスタートした、中居正広がMCを務めるバラエティ『中居くん決めて!』(TBS系)が、じわじわと注目を集めている。街行く人の「決められない悩み」を聞き、番組名の通り、中居がその選択を相談者に代わって“決める”番組だ。

 決められない悩みの内容はさまざまで、ある女性は「自分から『結婚したい』というべきか、相手からアクションを待つべきか」と恋愛相談をしたり、スキンヘッドの男性から「毎日(髪の毛を)剃った方がいいですか?」とユルい悩みが持ちかけられたりしている。この悩みに中居は、スタジオゲストの意見を参考にしつつ、真剣に、かつキッパリと答えを出していく。

 11月19日の放送では、匿名&顔にモザイクがかけられた状態で、ある芸能人が登場。「俳優やらせていただいてます、33歳です」と自己紹介をするこの男性は、役者業やテレビ出演のオファーが少ないため、アルバイトをしながら生活しているという。その一方、今年結婚し家族を持ったそうで、「このまま不安定な芸能界でがんばるべきか、安定した仕事に就くべきか悩んでおりまして、中居さんに決めてほしい」と、なかなか深刻な相談をもちかけた。これに中居は「いや~……これは無責任なこと言えないな~……」と顔をゆがめ、「ちょっと待ってね。簡単に(答え)出ないな……」と真剣に悩み始める。

 中居は長い下積みを経て成功を掴んだ人がいるとしつつも、「成功例ばっかりテレビでやりますけど、掴めない人の方が多いから。必ずしも『夢は持ってた方がいいよ』ってね、あんまり言えないんだよなあ」と現実的な考えを示す。しかし、この男性は役者を続けたいという気持ちが強いようで、妻からも「やりたいことを全力でやって」と理解が得られているそう。これを聞き中居は「今のがすべてじゃないかな」「奥さんの一言に尽きるんじゃないかな」と、このまま俳優を続けていく道へと背中を押した。

 その一方で、「夢破れてしまった人の話も聞いておいてほしいな、と思うんだよね」とコメント。中居的には33歳という年齢が気になるらしく、「40、50(歳)になって就職したいって言っても、もう遅かったりするから」と“一般人”に戻る選択をした場合のことも考えているよう。しかし最後には「『自由にやってもいいよ』って近くにいる奥さんが言ってるってことは、どんな仕事に就いても奥さんは側にいてくれそうな気がするけどもね」と家族の理解と協力を得ることの大切を語り、男性を応援していた。

 芸能界には世の中の話題に鋭い切り口で物申す、“ご意見番”と呼ばれる存在がいる。その筆頭ともいえる、マツコ・デラックスやダウンタウン・松本人志は、深夜のバラエティからワイドショーまで引っ張りだこで、彼らの意見が世間を動かすことも少なくない。『中居くん決めて!』を見ると、中居もすでにそんな存在になりつつあるのだと感じさせる。アイドルとしてスポットライトを浴びながら、一般的な感覚も兼ね備えている中居が、世間の流れを“決める”日も近いかもしれない。