中島健人主演『ドロ刑』は、“刑事ドラマの王道”を越えた! 異色バディが迎えた、感動と納得の大団円

2018.12.18
『ドロ刑-警視庁捜査三課-』公式サイトより

 Sexy Zone・中島健人主演ドラマ『ドロ刑-警視庁捜査三課-』(日本テレビ系)の最終話が12月15日に放送され、平均視聴率は9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)となった。第1話で11.8%と2ケタを記録したあとは8~7%台を推移しており、安定した人気を保ったまま最終話まで走りきった。

 同作は、今年1月に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載が始まったばかりの、福田秀の同名コミックが原作。中島が演じているのは、仕事よりもプライベートを優先する新米刑事・斑目勉。そんな彼の“相棒”は、伝説の大泥棒・煙鴉(遠藤憲一)。刑事と泥棒がコンビを組み、軽妙なやりとりを見せながら事件を解決する、異色のバディドラマだ。

 最終話、煙鴉の次なるターゲットが柏田不動産の会長・龍崎一郎(渡辺哲)だと判明する。斑目が所属する13係で手分けをし、龍崎の会社周りを警護したものの、煙鴉の仕掛けた罠にはまってしまい、龍崎のポケットに入っていた“ある物”が盗まれてしまう。今まで煙鴉が盗んだ物がすべて個人情報に関する物だと気付いた斑目は、煙鴉の目的が何なのか考えを巡らせる。

 一方、皇子山隆俊(中村倫也)は20年前に分譲地として売りに出されていた「虹の見える丘公園」と、自殺した自身の妹・真里(真魚)が勤務していたギルバート記念病院に関連があると聞き、医師・伴清彦(村松利史)から事情を聞こうとする。そして、ある新聞記事の写真を解析していた細面隆一(野間口徹)と、煙鴉の関与した窃盗について調べていた小平美希(石橋杏奈)、そして皇子山の情報が次第に集まっていく。点と点がついに結ばれ、煙鴉の正体が明らかになる中、斑目は煙鴉を逮捕することができるのか……?

斑目と煙鴉に用意された、“愛”あふれる感動のラスト

 これまでの展開、そして“刑事ドラマの王道”から考えるに、「斑目は煙鴉を逮捕できる」と多くの人が予測しただろう。しかしこのドラマを見ていた視聴者にとっての問題は、「斑目は煙鴉をどのように逮捕するか」であった。『ドロ刑』ではこれまで幾度となく、斑目と煙鴉の“刑事と泥棒の関係を超えた友情”が描かれてきた。前回第9話ではとうとう、2人を表現する言葉として「恋人」という発言が飛び出したほどだ。それなのに2人が積み上げてきた関係を裏切るような逮捕シーンでは、ファンは納得しないだろう。しかし逮捕する以上、“恋愛成就”は絶対に叶わない……どのようこの関係を締めくくるのか、非常に注目されていた。

 そして迎えた最終話。それはまさしく2人が互いの愛を確かめ合うような、煙鴉が逮捕されても誰も傷つくことがない、恍惚のひとときとなるような、感動的なシーンとなっていた。ファンからも「未だかつて、こんなに美しい泥棒逮捕のシーンありました……?」「それぞれの登場人物へ愛しか感じない逮捕シーンだった」「あのシーンが脳裏に灼きついて離れない」「最高の“ラブシーン”に見えた」と納得の声が続出していた。

 放送スタート当初に見せた“ダメな刑事”の姿から、徐々に才能を開花させて、刑事としても人間としても成長した斑目を丁寧に演じきった中島。なおかつ、“刑事と泥棒”、“若者とおじさん”という異色の愛を見事に表現できたのは、共演の遠藤によるところも大きいだろう。本作で中島は、ベテラン俳優との共演を経て、確実に演技の幅を広げることができたのではないだろうか。続編を期待する声も多いようだが、できればまた別のベテラン俳優に中島が肉薄していく様子が見てみたい。

(亀井百合子/ライター)